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2019年のノーベル生理・医学賞をわかりやすく解説!(少し難しめ)

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引用:(https://www.india.com/news/world/nobel-prize-in-medicine-2019-this-discovery-won-the-award-3797267/

 

2019年のノーベル生理・医学賞をわかりやすく解説!(少し難しめ)

本日、ノーベル医学・生理学賞は細胞の酸素センサーの研究をしていた
アメリカ人の研究者3名が受賞しました。

 

一般的なわかりやすい内容もブログとしましたので、
こちらへどうぞ。
▶️

business-goodsense.hatenablog.com


 

今回は、少し専門的な内容の下記2つに絞ってご紹介します。

1.hypoxia- inducible factor-1 (HIF-1)の細胞内シグナリング

2.下流の転写分子

3.分子構造

です!

 

1.hypoxia- inducible factor-1 (HIF-1)の細胞内シグナリング

1つ目の細胞内シグナリングは下記の図がわかりやすいです。

 

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引用:https://www.nature.com/articles/emm20041.pdf?origin=ppub

 

チロシンキナーゼが活性化されると、PI3K→Akt経路、または

Ras→MAPK経路のシグナルが進みます。

 

そうするとHIF-1の合成が誘導され、アルファサブユニット、βサブユニットが
転写を誘導し、下流の遺伝子の発現が進みます。

 

PI3K→Akt経路、Ras→MAPK経路はそれだけで体の中のいろいろな場所で活躍している

分子です。

主にがん系です。

 

2.下流の転写分子

 下流の転写分子については、網羅はできていませんが、一部だけを示しますと、

 ・赤血球生成
 ・血管新生
 ・Larエネルギー代謝
 ・鉄代謝
 ・カテコールアミン代謝
 ・血管運動制御

などです。

 

3.分子構造

 

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出典:http://www.rcsb.org/structure/1IZ3

 

 いかにも転写調節因子のような形ですね!

本当は、がんとの関連、腎疾患の関連についても調べたいのですが、今日はここまでです!

HIF-1という分子の発見、体の中でのキー分子としての振る舞いの解析、非常に素晴らしいお仕事なのだと思います。

その一端を垣間見え、皆様にお伝えできれば幸いです。

参考文献
1.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9510527
2.https://www.kidney-international.org/article/S0085-2538(15)59917-1/pdf
3.https://jeb.biologists.org/content/jexbio/201/8/1153.full.pdf